内田康夫 追悼【3/5】警察がしかるべく仕事をするか?、刑事ヅラ、でっち上げ、誘導尋問、別件逮捕・・

[第601回]
6. 警察・警察漢を実状を離れて「正義の味方」のように描いたりはしない。 現実にいないようなスーパーマンの刑事を描いたりはしない。刑事の問題点・警察の問題点も、マヌケな刑事についてもまた描いている。
   『鬼首(おにこうべ)殺人事件』では、
≪ 「・・・・そうすると、じいさんは珠里――あの子の知り合いだすべか?・・・・・いや、そうではねえなあ。彼女は怖がっているばかしで、あのじいさんを知っているような様子はねかったもんね」
「仮に彼女が知らなくても、老人のほうは知っていた可能性があります」
「はあ、そういうもんだかなあ・・・・」
「しかし、もし必要であれば、警察が調べるんでねえすべか」
「もちろんそうでしょう。警察がちゃんと気づいてくれれば、ですがね
浅見は少し皮肉を交えた言い方をした。しかし、高橋はそれを詰(なじ)る気にはなれなかった。現に、もし浅見の指摘がなければ、老人が珠里めがけて倒れ込んだことを、警察はもちろん、高橋も永遠に気づかない可能性がある。・・・≫
  実際、警察というものは、「犯罪捜査のため」「犯罪防止のため」と錦の御旗をかかげて市民に人権侵害を加えるが、本当に「犯罪捜査のため」「犯罪防止のため」にやるべきことをきっちりとやるかというと、やらない。 そもそも、「犯罪捜査のため」「犯罪防止のため」に協力してもらいたいと思うのなら、協力してもらおうという態度ちゅうもんがあるんと違うんかい!?! と言いたくなるが、そう言えば、そう言ったということ自体が、気にいらないということで、容疑者リスト・要注意者リストに入れられてしまうことになる。私なんかも、今まで、警察にはずいぶんとへこへこして、横暴な要求に「協力」してきたが、それでも、そういう「リスト」に入れられてしまっているのではないか? 片方で本当に問題のあるような人間というのは、そういう「リスト」にはおそらく入っていないだろう。そんなことだから、警察はだめなのだが、現実にそのだめな存在、市民にとっては害こそあれ益になることは少ない存在があるわけだ。

   『皇女の霊柩』では、
≪ 「本来は、警察がそういうことを調べるべきなのですけどねえ」
「逆に言えば、警察が何も調べようとしないのは、そんな疑惑がないということの証(あかし)ではないんですか」
「それは必ずしもそうとは限らないと思います。 警察の捜査はしばしば的外れであったりしますからね
「ふーん、そういうものですかなあ・・・・・ 」 ≫

  『琥珀の道(アンバーロード)殺人事件』では、
≪ 「やっぱしなあ・・・・」
真樹子は大きく頷いた。
「警察は最初っから通り魔と決めてしまって、さっぱり疑う気がないのだべかねえ? 久慈さ何人か刑事さんが来て、調べて行ったみてえだけんど、たンだ、友人だとか知人だとかが、事件のあった日にどこさいたかばっかし訊いて帰ったもんね。あれだばだめだべしなや」
  この言葉を、浅見は橋本警部やそれから、兄の陽一郎に聞かせてやりたいと思った。・・・・≫

  『白鳥殺人事件』では、
≪ 「・・・・事件捜査だって同じことです。 凡庸なデータの収集と、凡庸な解析力から生まれる結論は、やはり、凡庸なものでしかあり得ません。 しかも、警察というところは、その結論を導く上で都合の悪いデータは、平気で無視したり切り捨てたりする、おかしな体質を持っているのですから始末が悪い。 今回の事件がそのいい例です。・・・・≫

   『美濃路殺人事件』では、
≪ だいたい、あの刑事ヅラはなんとかならないものだろうか――と浅見はなかば八つ当たりのように思った。まったくの話、額の真中に「刑事」のワッペンを貼ったような顔をしている刑事が多い。暴力団関係専門の捜査第4課の刑事など、どちらが暴力団員か分からないような、ゴツイ連中ばかりだ。≫ とある。
   そういえば、広島県の尾道の対岸の向島に受刑者が逃走したという事があり、今もって見つかっていないが、ニュースを見ると、警察は大量の制服の警察官に警乗を持たせて島に配置したらしいが、しかし、まるで、他国から軍隊でも攻めて来るのに対応するみたいな光景だが、犯人の立場から見れば、制服着ていかにも警察官てのがおれば、「あ、警察だ」とわかりやすくて逃走しやすいのではないか。 むしろ、人数は絞っても、もとから向島に住んでるおっさんて感じの服装で歩いた方が見つけやすいのではないかと思うのだが、あれは、逃走者を見つけるためではなく、島民に対して、逃走者に同情して協力なんかしたらただではおかんぞ! と威嚇しているのだろうか。なんか、そんな感じの服装である。

   『龍神の女(ひと)』では、暴力団から追われているらしい女性を警察に守ってもらおうと警察に連絡した和田教授夫妻は、やってきた警察官を見て暴力団員だと思って逃げ出し、次にやってきたヤクザ者を警察だと思って自ら寄って行き、逆だったと知る。
≪ 女性の白い車に二人の男が近づいて、しきりに車の中を覗き込んでいる。明らかに暴力団ふうの外見だ。・・・
  十五分ほど経過したとき、黒い乗用車が駐車場の近くに停まった。中から二人の私服の男が下りて、周囲をキョロキョロと見回している。・・・・・
  車が走り出したとき、最前の二人のヤクザふうの男が引き返して来た。和泉はこの二人の仲間がさらに増えたと思ったが、車は停まる気配を見せず、ヤクザふうの二人組を尻目に、海岸沿いの道路を疾走した。
  あっちの二人のほうが、こっちの二人よりはるかにヤクザふうだが、本物のヤクザなのかどうか、和泉はすっかり自信を喪失してしまった。・・・・≫
内田康夫の小説には、こういう話がけっこう出てくる。 実際問題として、「少なくとも公式にはヤクザではないらしいがヤクザみたいな顔している人間」が多い職業というと、警察と不動産屋が双璧ではないか。(次いで、弁護士。) かつ、はっきりとヤクザと通じている警察官というのもいるようだ。
≪    きのう(2017年9月12日)午前10時ごろ任侠山口組の織田絆誠代表が神戸市長田区五番町の自宅から車に乗り込み、片側1車線の路地から出て幹線道路に合流しようとしたところ、待ち伏せしていた山健組の襲撃第1班の車が織田代表の車のフロント部分にガシャンと体当たりしてきた。・・・・
  車で体当たりした山健組の第1班からは50がらみの男が降車して織田代表が乗る車を目がけ、いきなり発砲した。・・・・・  警護役の楠本勇組員は降車して素手だったが、発砲する男に飛び掛かった。男はよろけ、楠本組員はあおむけになった男を押さえつけにかかったが、男は下からパンと発砲し、楠本組員はよろめいた。と、男は2発目を発射し、楠本組員の顔面に当たった。これで楠本組員は即死同然に射殺された。 ・・・・
   織田代表の自宅前路地の角には兵庫県警の車が待機していたが、警官はこの騒ぎにもまるで動かず、みすみす現行犯逮捕のチャンスを見逃した。・・・・
   また阪神の山口組情報に通じる事業家が言う。
兵庫県警に叩き上げのノンキャリの警部補がいる。ノンキャリの間ではそれなりの人望がある。この者が10年ほど前、山健組の井上組長と五分の“兄弟杯”を交わした。 ヤクザの間では割と知られた話です。 兵庫県警がこの者に牛耳られているとはいえない。反発する勢力もいる。 しかし、この者が担当のとき、兵庫県警の山健組に対する動きは鈍い。 たとえ現行犯で逮捕できても平気で見逃す。今回の事件もその類いでしょう」・・・・ ≫
 ( 「日刊ゲンダイ」2017.9.14.(13日発行) 「溝口敦氏特別リポート」 )
   『城崎殺人事件』には
≪ 暴力団関係の事犯は、推理好きの青地にとっては、耐えられないほど不毛で、無味乾燥そのものでしかなかった。しかも、暴力団からの誘惑も多く、青地が知っているだけでも、県警内部の人間で暴力団側に取りこまれている疑いの濃厚な者が何人もいた。・・≫
とある。

   『平城山を越えた女』では、
≪ 喋っている美果の目に、玄関のガラス戸を開けて入ってくる、人相のあまりよくない男が二人、映った。いや、その外にさらに二人、物も言わずに入って来る。・・・・
  浅見は「とにかく・・・・」と、うろたえた声で言いつづけている。その声を封じ込めるように、美果は玄関に背を向けて、小声で「来たみたい」と言った。・・・・
  「ちょっとうかがいますが」と、背後から声がかかった。
「こちらに阿部美果さんという人は泊まっていませんか?」
美果は振り返りながら、早口の大阪弁で言った。
「ああ、阿部さんやったら、いましがた出て行かはりましたけど」
「出て行った? どちらへ行きました?」
「東大寺さんの大仏殿やそうです。まだその辺を歩いてはるのやないかしら。緑色の大きな帽子を被ってはるから、すぐに分かる、思いますけど」
刑事たちは急いで飛び出して行った。
(単純ねえ、
いまどき緑色の大きな帽子なんて、誰もかぶりぁしないわ――)
刑事を見送ると、美果は反転、二階の部屋に戻り、荷物をまとめて、刑事のあとを追うように外へ出た。
(逮捕なんてされて、たまるものですか――)と思った。・・・・・ ≫
という場面が書かれている。

   『美濃路殺人事件』では、
≪ 「どうなのでしょう、この紙がいつ頃、どこで、誰の手で漉かれたものか、調べる方法はないものでしょうか?」
「うーん、そりぁあ難しい問題だが・・・・・まあ、まったく不可能というわけでもないけれどなあ」
「えっ? 方法があるのですか?」
「ああ、しばらく預からせてもらえれば、調べてみてもいいが」
浅見は鈴木警部を振り返った。
「いかがです警部さん、預けてもいいのじゃありませんか?」
「いや、それは困るな・・・・」
鈴木は渋い顔をした。
「一応、証拠物件でもあることだし」
「そんなこと言って、ぜんぜん証拠品扱いしていなかったじゃないですか」
 ≫
という場面がある。 さらに、
≪ 「もう一つの事件のほうはどうでしょう」
浅見は言った。
「もう一つというと?」
「月岡和夫氏の事件です。その事件当時、沢口はどこにいたのでしょう?」
「ああ、そっちの事件のことは訊きませんでしたよ」
「なるほど・・・・」
浅見は憮然とした。管轄外ということか―――。 どうも、警察にかぎらず、役所の仕事はセクショナリズムに徹している。融通をきかすとか、「ついで」という観念がまるでないらしい。
「しかし、もしなんなら確認してみましょうかね」
さすがに気が咎めたのか、鈴木のほうから申し出た。
・・・・「お忙しいところ、申し訳ありません」
言いながら、浅見はなんでこのおれが警察に謝らなければならないのだろう? ―――と首をひねった。・・・≫
という話もある。

  『シーラカンス殺人事件』では、
≪ ・・・警察というところは、一度組み立てた事件ストーリーには、どこまでも固執しようとする体質がある。もちろん、そこに至るまでには入念な捜査が行われ、さまざまなデータが収集されてはいるのだが、それでもなお、真実がつきとめられるまでには、それは一つの仮説であり、虚構にすぎないはずなのだ。ところが、ある程度事実関係が固まり、事件ストーリーが描けると、今度はそのストーリーにマッチするようなデータを意図的、恣意的に収集しようとするのだ。それが、しばしば、自白の誘導や証拠の捏造、そして冤罪へと繋がる危険性を秘めている。・・・≫

   『萩殺人事件』では、
≪ 「何を言ってるんだ。僕は萩に行ったって、そう言ったでしょう」
「しかし、証明できますか?」
「証明? ・・・・そんなもの・・・・」
 反論しようとして、どうすればいいのか、咄嗟には思い浮かばない。とにかく目撃証言を期待できそうな人物には会っていないのだから。
「・・・なるほど、確かに証明してくれそうな人はいませんね。しかし、それでは逆に訊きますが、防府市の向島に僕が行っていたということは証明できるのですか?」
「いや、残念ながら証明はできてきません。
いまのところは、ですね。しかし、捜査が進めばどうなるか分かりませんよ」
「だったら、証明できるようになってから、出直してもらいたいですね。そうそう、断っておきますが、でっち上げなんかはしないようにお願いしますよ」
「そのようなことは警察はせんっちゃ」
  片桐は感情を露わにして、松田を睨み付けて言った。 松田は内心(ふん――)と思った。 警察がでっち上げや誘導尋問を行っているのは常識みたいなものだ。それでもって数々の冤罪事件を起こしている。盗人猛々しいと言いたいくらいなものである。≫ とある。
〔ちなみに、「向島」は山口県防府市の前と、広島県尾道市の前と2つある。『萩殺人事件』に登場するのは山口県防府市の向島。 受刑者が逃走したということで、警察がそっちの人間の方がよっぽど恐ろしいのと違うかという感じの怖いのんをいっぱい島に送り込んだのが広島県尾道市の向島。実際、島民の立場からすれば、素手で逃げ出した逃走者よりも、脳みそが筋肉でできてるか脳みそがち〇ぽでできてるかの警察官から、こいつ、逃走者ではないかと間違えられた場合・因縁つけられた場合の方がよっぽど怖いのではないか。実際問題として、何されるやらわからんからな。〕
さらに、
≪ 「あんたはそのことを承知の上で、更生促進センターに行ったんだろ? そうでもなければ、忙しい旅の途中に、あんな面白くもない所に寄り道するはずがない」
面白いか面白くないかは人それぞれでしょう。僕にとっては興味深い見学でしたよ。ただし、あそこに生島さんの息子がいるなんてことは、ぜんぜん知らなかったのは事実です。それにしても、警察の情報収集能力は、想像以上のものがありますね。僕の行動を逐一把握しているのには感心を通り越して、いささか不気味な感じがする。警察がその気になれば、国民を監視下に置くのは造作もないと思えてきますね
松田はズバッと言った。これには片桐もたじろいだように見える。・・・≫

  『平城山を越えた女』では、
≪ 「あんた、浅見さん、今月の十日から十二日までの三日間、どこにおりました?」
「は? ・・・ああ、なるほど、ホトケ谷の被害者の死亡推定日ですか。やれやれ、どうしても容疑者扱いをしたいのですかねえ。まったく無駄な作業なのに・・・」
・・・
「家族以外の人はどうです?」
「それはだめです。僕はあまり付き合いのいいほうではありませんからね。ことに仕事のある場合には、夜は滅多に外へ出ることはありません」
「そうだとすると、あんたはきわめて不利な状況にあると言わざるを得ませんな」
「そんなばかな・・・・」
浅見は失笑した。
「ばかとはなんです?」
東谷警部は気を悪くしたらしい。
「アリバイの有無は、容疑を確定する重要な決め手であるのです」
「それは分かりますが・・・それじゃ警部さん、あなたの当日のアリバイはどうなっていますか?
「あほらしい」
「あほとはなんです?」
浅見が言い返し、東谷と睨みあった。 ≫
   他人事ではない。私も、福島県いわき市小川で強盗事件があったらしい時、いわき中央警察署http://www.police.pref.fukushima.jp/police/chuuou/index.html の警察官は、「犯人がボールペンか万年筆を服の内ポケットにさしていた」という誰でもやっておかしくない行為と、「犯人は軽自動車に乗っていた」という、戸建住宅建築業の営業ならお客さんをクルマに乗せて案内することがあることから、軽自動車を使用する可能性は低いと思われることの2つから、「犯人は住宅建築業の会社に勤める営業である」と断定して、いわき中央警察署 からすぐの場所にあったJTいわきハウジングパークにやってきて、いわき中央警察署の側の入口に近い場所にあった私が在籍した(株)一条工務店の展示場に入って来て、そして、警察官に対して「警察を明らかに拒否している態度」は取らない方がいいだろうと思って、「善良な市民」として協力し、小川の強盗事件についてはまったく知らないから協力のしようがないが、私に協力できるものとしては、「服の内ポケットにボールペンなどをさすというのは、住宅建築業の人間でもやる可能性はあるが、そうでない人間でもやる可能性があるものだと思われる」ということと、特に「会社によっても多少は違いがあるかもしれないけれども、新築の戸建住宅建築業の営業は、自分のクルマにお客さんを乗せて案内するということがあるので、軽自動車は不向きであるため、会社として、普通乗用車なら会社でガソリン代などを出すが軽自動車では認めないとしている会社が多く、車検や修理の際に軽自動車を代車として借りるとか、家族と一緒に住んでいる人が普通乗用車と軽自動車を持っていて、家族が普通乗用車の方を使う必要がある日に、軽自動車の方に乗ったとかそういうことはあるかもしれないけれども、普段は普通乗用車に乗ることが多く、軽自動車にはあまり乗りませんよ」ということを教えてさしあげた・・・・のだが、ところが、住宅建築業の会社の営業を仕事としている人間が犯人だと示す理由なんか何もないにもかかわらず、勝手に「住宅建築業の会社に勤めている営業らしい人が犯人らしいんだ」と決めて、そして、「〇〇さんは、ここ1ヶ月ほど(だったか2カ月ほどだったか)、小川に行ったことはありますか」などと言って、私に「アリバイ確認」みたいなことを初めやがった。 ふざけんな! ひとが、何の関係もないのに、せっかく、もしも、何か協力できることがあれば協力しようという姿勢で対応したのに、その態度は何だ! ・・・こんなアホに協力しても、何の価値もない。勝手にしろ! と思った・・・ことがあった。〔⇒[第94回]《落し物は届けるな、犯罪捜査に協力するな! ~ 警察の恐怖(1)―川崎市の警察と いわき市の警察 》http://shinkahousinght.at.webry.info/201204/article_7.html 《2》 〕 いっそ、いわき市民、当時、人口約36万人、全員に「アリバイ確認」やったらどうなんだ・・・というよりも、あんたはどうなの? ということになる。
   それだけではない。1999年、(株)一条工務店で、栃木県佐野市の営業所に在籍した時、午前中、遅刻して出勤してきた上岡(男。当時、40代前半。最終学歴:高卒。建築関連の保有資格:なし)が、すでに業務にはいっている私に、背後から、いきなり蹴りかかり、襲いかかって来て、私に怪我を負わせた、ということがあった。上岡はそれだけではなく、自分がいきなり私に襲いかかって怪我させたにもかかわらず、所長の五十嵐に、私に怪我させられたと訴え、上岡と経歴が似ている〔学歴:底辺の方の高校卒、職歴:前職 クルマ屋、建築・住宅関連の保有資格:なし〕ことから上岡をひいきにしていた五十嵐は、翌日、朝、佐野展示場にやってきて、被害者である私に「おい、上岡くんから聞いたんだぞ! 上岡くんに暴力ふるって怪我させたそうじゃないか!」と脅してきた。「なんですか、それは」と私が行ってもアホの五十嵐はきかなかったが、普段から素行の悪い上岡は同じ展示場に所属している従業員から支持されておらず、上岡が私にやったような行為をされた人間は私以外にもいたことから、その場にいた従業員全員が、いきなり暴力をふるったのは上岡が私にであって、決して逆ではないということを証言してくれた。それで助かったのだが、五十嵐はそれを聞いて、「上岡くん、きみが言ったことと話が全然違うじゃないか!」と言って、さすがに経歴が似ていることから上岡をひいきにしていた所長の五十嵐も怒り出した、ということがあった・・・が、ところが、それでも、上岡と組んで私を罪に陥れようとしたのが佐野警察署http://www.pref.tochigi.lg.jp/keisatu/hiroba/sano/ と佐野警察署刑事課の「長井」という男だった。 長井は、その日の夜、私の自宅に、私が佐野警察署に私の自宅の電話番号なんて教えていないにもかかわらず、電話をしてきて、「ごらあ! 上岡さんに暴力ふるって怪我させたんだろうがあ! ごらああ! 傷害罪で有罪にしていいのか、ごらあ! ええ、ごらあ!」と恫喝を加えた。 なぜ、佐野警察署刑事課の「長井」が私の自宅に電話をしてきたかというと、上岡は、自分が遅刻してきて、すでに始業時刻より前に出勤して仕事についている先輩社員に、いきなり、背後から襲いかかり怪我させておきながら、その後、展示場の事務所をでていって、医師に「全治1週間」だったか2週間だったかの「診断書」を書かせて佐野警察署に被害届をだしたのか、佐野警察署に訴えて佐野警察署の縁のある医者屋に診断書を書かせたのか、そのいずれかをしたらしい。 上岡が(株)一条工務店の佐野展示場の事務所を出て行く時には、上岡の腕にはかすったような傷はついていなかった。それは私だけでなく複数の者が目撃している。ところが、しばらくして上岡が佐野展示場に戻ってきた時に、腕にかすり傷がついていた。ということは、上岡が佐野展示場を出て行ってから戻ってくるまでの間に、上岡が会った人間がつけたか、上岡自身がそれをつけたか、そのいずれかである。もしも、上岡が自分でつけたのでないのなら、その間に会った人間がつけたということになる。その間に上岡が会った人間として確認されているのは、その「診断書」を書いた医者屋と佐野警察署刑事課の「長井」という男の2名である。佐野警察署では「長井」の他にも会った人間はいたかもしれないが、名前がはっきりと確認されているのは「長井」である。ということは、もし、上岡が自分でつけたのでないならば、最も疑われやすい立場、最も疑われてよいはずの立場の人間は佐野警察署の刑事課の「長井」のはずである。この件については、[第416回]《本当にあった笑えない話―「休日出勤」と嫁には話してホステスと出かける男。本当にあった怖い佐野警察署》http://shinkahousinght.at.webry.info/201606/article_1.html 【2】(1) (2) に述べたので、そちらを見ていただきたいが、本当に怖かった。佐野警察署刑事課の「長井」には、「おまえがやったのと違うのか」と言ってやりたかったし、実際問題として、上岡は佐野展示場を出て行く時点では腕にかすり傷を作っていなかったのだから、私を有罪にするために、佐野警察署刑事課の「長井」が上岡と申し合わせて、「たいしたことない傷」を意図的に作った、その上で、この医者屋なら「診断書」を書くであろうと警察が把握している医者屋に行かせた、ということは可能性として十分に考えられることである。警察はこういうことをして民間企業に手をつっこんで、会社をひっくり返そうとするらしい。佐野警察署http://www.pref.tochigi.lg.jp/keisatu/hiroba/sano/ は今日に至るまで、私に謝罪していないし、警察の辞書には「すいません」「申し訳ありません」という言葉はないらしい。
  私は佐野警察署刑事課の「長井」に「おまえがやったのと違うのか」と言ってやりたかったが、怖くて言えなかった。もし、言ったなら、何か別の因縁をつけて逮捕でもした可能性がある。浅見光彦が『鬼首(おにこうべ)殺人事件』で発言しているように警察にとっては≪黒を白と言いくるめることなんか、お茶の子さいさい≫である。かつ、「警察官というのは体育会系の運動バカみたいのが多いが、検察官は『一流大学』を卒業して司法試験という法律の難しい試験に通ったインテリだからおかしなことはしないだろう」とか、「検察は権力のイヌみたいな面があるかもしれないが、裁判官というのは公正な態度をとりたいと思った人が検察官や弁護士を選ばずに裁判官を選んだのだから、裁判官はまともだろう」とか思いこんでいる人がいるが、人によっても違いはいくらかはあるかもしれないが、そのようなおとぎ話のような期待はしない方がよさそうである。検察は警察のテカ、裁判所は検察のテカ。検察は警察の下請け、裁判所は孫請けである! と考えておいた方がよい。 もし、そうでない裁判官がいたなら儲けもの・・・というくらいのものであろう。そもそも、検察官には司法試験に合格して検事になった「検事」の検察官と、司法試験に合格していないのになぜか「検察官」になっている国営裏口入学みたいな存在である「副検事」などというものがある。「副検事」というのは、その検察庁で上から二番目にエライ人のことではなく、「検察官」には司法試験に合格して検事になった「検事」の「検察官」と司法試験に合格していないのになじかは知らねど「検察官」になっている裏口入学みたいな「検察官」である「副検事」がおり、「副検事」というのは司法試験に通っていないとともに、もちろんのこと、「一流大学」なんて卒業も入学もしていない人間、要するに「警察漢と似たようなもの」の人間である。そういう国営裏口入学みたいなヤカラが「検察官は国民に対してえらそうにする権利がある」みたいに思っていてそれを日夜実行している。
   『城崎殺人事件』では、
≪ 「えっ? じゃあ、安里さんの過去については、ほとんど調べていないということですか?」
浅見は呆(あき)れた口調になった。
「そうですよ」
横尾は、弁解というよりは、むしろ反発するように、仏頂面で言った。
・・・・
「それじゃ訊きますが、警察は僕には張り番までつけていながら、どうして安里さんをほっぽっておくのですか?
「安里さんは浅見さんの場合と違って、被疑者ではありませんからね、・・・・・」 ≫
と出ている。 まさに、警察は犯罪者の味方である。

  『漂流の楽人』では、
≪ 「・・・だから兄は死ぬことを予感して・・・、つまり、殺されるかもしれないと思って、それとなく言い遺しておいたのだと思うんです」
「しかし、殺される心配があるなら、警察に知らせるのがふつうなんじゃないですかねえ。どうもあなたの言うことは矛盾しているようですなあ」
「でも、警察に言ったって、相手にしてくれないんじゃないですか? 警察は事件が起きてから面倒みてくれるって聞いたことがあります
「そんなこともありませんがね」
二宮は苦笑した。≫
  『少女像(ブロンズ)は泣かなかった』(『龍神の女(ひと)』祥伝社文庫 所収)
≪「警察はだめ。あなた、警察はあてになりませんよ。こんな話を持ち込んだって、頭がおかしいんじゃないか――ぐらいの応対しかしてくれませんもの。警察は何かが起こってから、はじめて動きだすの。わたくしの死体を見せてから、さあ、なんとかしてよ、なんて言いたくありませんんわ」≫
   『漂白の楽人』では、二宮という警部補が「そんなこともありませんがね」と発言しているが、そうではない。2001年、私は栃木県佐野市で、(株)一条工務店http://www.ichijo.co.jp/ の佐野展示場に縁故入社で中途入社してきた小嶋(男。当時、40代前半)の社内における非行を注意するように栃木県南部営業所 所長の木下(きした)から指示されて、しかたなしに注意したところ、逆に小嶋からすごまれて大変 怖かったが、佐野警察署http://www.pref.tochigi.lg.jp/keisatu/hiroba/sano/ に訴えたところ、「警察に言うのなら、はっきりと怪我させられてから言ってください」と言われた。さらに、「警察は捜査機関であって相談機関ではないので警察に相談しないでください」とも言われた。実際に怖い思いをさせられているにもかかわらずである。 さらに、その警察官は何と言ったかというと、「ぼく、館林でうちの親戚が一条工務店で家を建てまして、ぼく、一条工務店、好きなんですよ。一条工務店のことを悪く言わないでください」などと言うので、「どんな会社でもいいところも悪いところもあることが多いと思いますが、私は会社がいいとか悪いとか言っているのではないのです。中途入社で入って来たばかりの人でおかしな人がいて困っているのです。会社は私に注意しろと指示したのですが、私は、そういうことは営業所長の役職を会社からもらっている人が言ってください、と言ったのですが、それでも、『あんたが注意しろ』と所長になっている人が私に言うので、しかたなしに私が言ったところ、すごまれて怖いんです」と言いましたが、「そんなこと、言ったって、警察に話をするのなら、ある程度、大きな怪我をさせられてから言ってくださいよ」と佐野警察署の警察官は言ったのです。 ↑の内田康夫『漂白の楽人』で殺された男の妹の肇子の発言は正しく、二宮という警部補の「そんなこともありませんがね」という発言は事実に反します。

  『鬼首(おにこうべ)殺人事件』では、
≪ 「まさか、兄さん・・・・」
浅見は不意に思いついて、圧(お)し殺したような声で訊いた。
「犯人は警察ではないでしょうね?」
「おい・・・・」
陽一郎は微笑を消して、険しい表情になった。
「たとえ冗談にしても、そういう不穏なことを言うなよ」
「いや、冗談じゃないですよ。だってそうでしょう、警察の犯行と仮定すれば、すべて納得がいくじゃないですか。殺人事件を自殺や事故に――黒を白と言いくるめることなんか、お茶の子さいさいだもの」 ≫

   『白鳥殺人事件』では、
≪ 「ところで、その似顔絵というのは、うまく描けたのですか?」
浅見はためしに訊いてみた。
「さあ、どうでしょうか・・・・」
ずいぶん頼りない返事をして、二人の女は顔を見合わせた。
「いろいろね、顔の形だとか、眉、鼻、口だとか取っ換え引っ換え、スライドで映して見せて、ああでもないこうでもないってやってみたのですけど、なんだか、そのうちに分からなくなってしまって・・・・。 あれでよかったのかねえ」
 女将が咲子を見返ると、咲子の方も首を横に振って、
「なんだか、違うみたいでしたわねえ」と言った。
「それに、警察の人はどういうわけなのか、はじめから、ほら、キツネ目の男というのがあるでしょう。あの顔じゃないかって、そう思っているみたいなんですよね。だから、そんなような目だとか鼻だとかばっかし出して、それがちっとも似ていないって言うのに・・・・
「分かりました」
浅見は耳を覆いたい心境だった。あのテープの中で、「アホ共が・・・・」と言っていた声を思い出す。警察の上層部と第一線のスタッフとのあいだに、はかり知れないギャップがあることを感じた。・・・≫

   『小樽殺人事件』では、
≪ 「・・・しかしねえ、あの浅見という男は刑事なんかじゃないのだから」
「あれ、そうでしたの? でも、ほかの刑事さんより、よっぽどしっかりなさっていたみたいでしたが」
明本は腐りきった。 ・・・・≫
≪ 「ちょっと待った」
鳥羽が慌てて止めた。
「その、時国家の祟りとかいうのは、何のことですか?」
「あんた、それも知りなさらんのですか?」
千代は頬を膨らませた。
「やっぱし、あの若い刑事さんは優秀ですなあ、時国さんのこともちゃんと知っておられたですもの」
「いや、彼は刑事じゃないんだがねえ、・・・・」 ≫ という場面がある。

  『イーハトーブの幽霊』では、
≪ 「・・・・浅見さんが代田クンのおばさんに訊いている感じ、ぜったい刑事さんみたいでしたよ」
「まさか・・・・そんなことを言うと、本物の刑事が気を悪くするよ」
「ううん、そんなことない、刑事さんより優秀だと思います。父の事件と代田クンのおじさんの事件と関係があるなんて、刑事さんは言わなかったもの」
「それはだから、警察は秘密主義だって言ったじゃない。分かっていても市民には話してくれないんだ」
そっかなあ、ほんとに考えてないみたいでしたよ。・・・・」 ≫
とある。

   『赤い雲殺人事件』では、
≪ 署長の意見には前川も同調し、岩瀬副本部長も異論はなかった。今泉、堀越の両刑事は口をはさむのを遠慮しているが、少なくとも現時点では中尾慎一を最有力容疑者と考えていることは確かだった。
「うーん・・・」と浅見は頭を抱えた。
「違うと思いますけどねえ。いや、あの時間に忍び込むというのだから、確かに、ひょっとすると中尾君に殺意はあったのかもしれませんが、実行はどうも・・・・。しかし、まあ、皆さんが疑うのをいけないとは言いませんけどね」
「一応、不法侵入で任意出頭ということにでもしましょうか?」
と署長が副本部長に訊いた。浅見は眉をひそめた。
「いや、それはやめましょうよ。その件では追及しないって約束したのですから」
「しかし、高山夫人側から告発があったということならば、拒否できないでしょう。部屋から何か盗み出されていたことにしてもいいですよ」
(汚い手を使うな――)と思ったが、
警察のそういうやり口は珍しいことでもない。
浅見としても、警察がどうしてもそうしたいというのを、何がなんでもやめさせる権限はなかった。≫
   『風葬の城』では、
≪ 浅見は当然のように言った。
「平野洋一さんを殺した犯人は、高梨継仁氏ですよ。動機は、この書類を平野さんの手から取り戻すか、それが不可能でも、平野さんを殺すことによって、平野さんの恐喝を封じようとしたものですね」
・・・・・
「だめですよ浅見さん。高梨にはちゃんとしたアリバイがありますからね。うちの刑事がきちんとウラを取ってきました。平野洋一が死んだ時刻には、彼は東京で歯科医師会のパーティーの二次会に出席していました。犯行は不可能です」
「そんなものはあとでどうにでもぶち破れますよ。いまは、とにかく高梨氏の犯行であるとして、事件が成立する条件とシナリオを考えるのが先決です」
「そんな無茶な・・・・」
片岡は呆(あき)れた。
「そんなふうに、先に犯人を想定しておいて、あとから理由や証拠をくっつけようっていうのは、まるっきり警察の・・・・」
片岡は「警察のやってることと同じ・・・・」と言いそうになって、
慌てて言い換えた。
「・・・・・いや、つまり、まるっきり警察の捜査規範には合わないじゃないですか。そういうのはまずいねえ」
浅見はニヤニヤ笑って、こっちを見ている。なんだか本音を見透かされたような気がして、片岡は気分がよくなかった。≫

  そして、何より、極めつけは、『シーラカンス殺人事件』。
≪  「日央テレビといえば、たしか中央新聞の系列会社じゃないか。例のシーラカンスドキュメンタリー番組を放送したのも日央テレビだったはずだが・・・・」
(クサイな――)と岡部は思った。
「神谷チョー、ちょっとテレビ局見物としゃれてみないか」
「ああ、それなら坂口を連れていってやってください。タレントの顔を見たくてしょうがねえんですから」・・
・・・・
 ・・・ 岡部は壁のスケジュール表に目を止めた。向う一年ほどの制作予定がピッシリ書き込まれてあった。
「ずいぶん先のロケーションまで決まっているもんですねえ」
 岡部が感心したように言うと、チーフプロデューサーと紹介された男が、「もちろんです」と胸を張った。
「われわれの仕事は季節と密接に関係していますから、よほどしっかり計画をたてておかないと、タイミングを失するおそれがあるのです。とくに、ローカルの催し物なんかは、まさに一発本番ですからね、ロケハンと仕込みをしっかりやっておかなければなりません」
「すると、先日の青木ヶ原樹海なんかは、前々から予定を組んでいたのですか」
「ああ、あれなんかは去年のうちに、ロケの予定はできていましたよ。なにしろ、その翌々日に地元総出の大捜索をやるっていうでしょう。その前にカメラを持ち込まなければ、死体がなくなっちゃいますからねえ」
  岡部の視線が「シーラカンス」の文字を捉えた。スケジュール表の一ヵ所に、青い横線が二カ月にまたがって引かれ、その頭のところに『よみがえるシーラカンス』というタイトルらしいものが書き込まれてあった。そして、その下には少し小さ目の文字で「桜井プロモーション」とある。
 「あの『よみがえるシーラカンス』というのは、桜井さんのところで制作しているのですか?」
・・・・・
 「収穫があったな」
建物を出たところで岡部は満足そうに言った。
「ええ、しかし、報道なんかへ行ったんじゃ、タレントには会えませんからねえ。可愛い子ちゃん歌手のひとりぐらい、会えるかと思ったんですが」
  坂口は「収穫」の意味を勘違いしているらしい。岡部はばかばかしくて怒る気にもなれなかった。・・・≫

  (2018.4.20.)

☆ 内田康夫 追悼
1.旅情と人間関係と推理、刑事をヒーロー扱いしない推理小説、実際にありそうな話 http://shinkahousinght.at.webry.info/201804/article_12.html
2.「巡査長」「部長刑事」「確保」とは。日本の警察は優秀か無能・有害か。対警察防衛。 http://shinkahousinght.at.webry.info/201804/article_13.html
3.警察がしかるべく仕事をするか?、刑事ヅラ、でっち上げ、誘導尋問、別件逮捕・・ 〔今回〕
4.警察に情報提供すべきか?「第一発見者」の恐怖。「善良な市民」とは?http://shinkahousinght.at.webry.info/201804/article_15.html
5.誰でも「心不全」「心身耗弱」。内田康夫の問題点。警察に甘い評価もある。  http://shinkahousinght.at.webry.info/201804/article_16.html 


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