香取神宮参拝【4/5】御神木の杉。造林木の利用と天然木の保護は事情が違う。押手神社。奥宮。旧参道

[第424回]
   拝殿の右手前、授与所・宝物館の前、祈祷殿の前に、ご神木の大きな杉の木がある。↓
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  「ご神木」の杉
   ≪香取神宮の森には杉の巨木が林立しています。・・・≫(『香取神宮案内記』)

   1992年に(株)一条工務店http://www.ichijo.co.jp/ に入社した年のことだが、東京都江東区潮見のJR京葉線「潮見(しおみ)」駅の前に 林野庁が運営している ウッディランド東京 という国産材の展示をおこなう施設があり、そこに国産材を使用している木造の建築会社による住宅展示場があって、(株)一条工務店も出展していた。その後、ウッディランド東京はなくなり、駅に近い側はヤマダ電機の店舗になり、後ろ側はマンションになっていたが、インターネットで見ると、ヤマダ電機の潮見店は2015年5月31日で閉店したそうだ。

(↑ かつて、ウッディランド東京 があった所〔東京都江東区潮見〕)
そこで、国産材の巨木を展示販売している時があった。 林野庁の人には「いい木が集まりましたよ」と言っている人がいたが、さて、こういった木を伐採する必要があったのだろうかと疑問にも思った。様々な樹種のものがあったが、目についたものの年輪の数を数えてみると、ちょうど関ケ原の戦い(1600年)頃から生えていた木だった。 林野庁は「独立採算制」により林野庁の会計を運営しなければならないことから、国有林の自然木を伐採しているが、それは自然環境保護という点から考えて好ましくないのではないかと言われたりもしていた。 独立採算制は、戦後、国の財政が厳しい時に、国有林を伐採しまくって大事な自然林を破壊しないようにということから林野庁の会計を他と分けたが、そのうち、逆に、林野庁の会計を支えるために国有林を伐採するようになってきたといった話がある。 又、自然林を守る側の環境庁と伐採して材木として売りたい林野庁では林野庁の方が「味方が多い」とかいう話もあった。 今では、環境庁は環境省に昇格したものの、福島第一原発による放射能汚染の問題などにおいては、むしろ、環境省は、環境を守るためよりも、放射能汚染による被害の状況を、安全でもないのに安全だということにして、加害者側に加担する官庁になってしまい、国民のために環境を守る官庁ではなくなったといったことも言われてきた。
   その時、「すごい木が並んでいるといえばそうなんだけど、はたして、こういう木を切ってしまっていいのかとも思うねえ」と言うと、(株)一条工務店の東京営業所にいた、その年、私より2カ月ほど前に入社した「忍者ハットリくん」(仮名)(男。当時、20代後半)が、「何、言ってんですか。 山の木は切らないとだめなんですよ。 木は切って柱なんかに使わないと、かえって、森林が荒れてだめになるんですよ。 木を切って使わないと、かえって、国産材の需要がないために、森林がなくなっていくんですよ。 ○○さんは、こんなことも知らないんですか」などと私に言ってきたので、こいつ、何を言ってんだろうなと思ったことがあった。 「忍者ハットリくん」(仮名)が言っているのは、それは、人工林・造林木についての話である。 (株)一条工務店が柱に使用していた桧・杉といった木は、人工林の造林木である。 人工林の造林木というのは、これは、基本的には畑のキャベツや白菜、人参・大根、トマトなどと同じ性質のものである。 国産の野菜を買わない人・食べない人が増えると、畑で野菜を育てる農家も減っていき、畑はなくなっていく。むしろ、国産のキャベツや白菜、人参・大根・トマトを買って食べる人が多くなれば、畑で育てようという人も増えて、農地は守られていく。 人工林・造林木の国産材の桧や杉、その他の木材は、基本的には、畑の野菜と同じ性質のものであり、買って使う人がなくなれば、林業を営む人もなくなっていくし、ちょうど伐採して使用するとよい時期にきているのに、伐採しても買って使用する人がないので放置しておいたのでは、「山が荒れる」という事態にもなる。 林業が成り立たなくなると、山林を手放す人も出てきて、そこがゴルフ場になったり、産業廃棄物最終処分場になったりする。 しかし、そういった話は、あくまでも、人工林の造林木についての話である。 ウッディランド東京に並んでいた木材は、すべてかどうかはわからないが、少なくとも大部分は造林木ではなく天然木である。 年輪を数えてみるだけでもわかるはずだ。 関ケ原の戦い(1600年)より前から生えていた目の前の木は、造林木であるわけないのである。天然木である。 そういう木を「木は伐採しないとだめなんですよ。 こんなこともわからないんですか」て、こいつ、何を言ってんだろうなと思った。自然林・天然木をせっせと切れば、自然林が守られるなどということはない。人工林の造林木と自然林・天然木とは事情はまったく違う。(株)一条工務店の経営者は、どうも、そういうわけのわからんことを言うヤツが好きみたいだった・・・・。

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↑  授与所の前、ご神木の左あたり。 水道のホースにつないで、水を回転しながら散水する器具があるようだ。 なかなかのスグレモノではないか。

   総門と楼門の間、末社諏訪神社の横のあたりに便所がある。↓
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↑ 神社の境内のトイレとしては、周囲の雰囲気に馴染む建物で悪くないのではないかと思ったが、
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↑ この天井がなかなかかっこいい。 棟木と合掌は集成材だった。

   ある登山の本で、「ピストン登山はつまらない」と書かれたものがあって、ふもとから頂上まで、同じ道を行って帰ってというのではなく、できるだけ、登りと下りは別のルートを通るようにした方がいいという説が書いてあった。登山に限らず、どこかに行く場合、できるだけ、行きと帰りは別のルートを通るようにすることが多かったのだが、寺や神社の場合、必ずしもそうではないかもしれないと今は思っている。 なぜなら、特に小山の上にあるような寺や神社の場合、同じ道でも、行きに見える風景と帰りに見える風景は異なるからだ。
   で、今回、総門を出て何段もの階段の所で下を見ると、↓
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↑  行きに見えたものは、[第 回]、香取神宮参拝の2 に掲載しているので、見比べていただきたい。 もちろん、行きに後ろをふり返って見ても悪くはないのだが、寺社の参拝のおいては、行きにおいては、普通は後ろをしばしば見たりはしないのではないだろうか。

   総門の前の鳥居の所では、車椅子でも通れるようにスロープが設けられている。↓
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但し、最近、多くの寺社で、「車椅子でも通れるスロープ」「身障者にやさしい境内」といった配慮がなされているのだが、山地にある寺社の場合、なかなか難しいところもあるのではないかと思う。 1箇所、スロープを設けても、立地の関係上、なかなか、一番上の場所までスロープで行けるようにするのは難しい場合がある。 そして、スロープというのはどのくらいの勾配であればよいかという問題がある。 ともかく、階段でなければ車輪は動くのかというと、そういうものでもない。 自動車なら登れる道路の勾配でも、車椅子ではそうでもない。 車椅子を考える時、車椅子に座っている人間が自分で横の輪をまわして進む場合と、誰かに後ろから押してもらう、下る場合は、下にまわって下がってもらう場合とでは事情は違う。 2014年、埼玉県の川口土木建築工業(株)http://www.kawado.co.jp/ といういいかげんな会社の工事現場で右足を骨折したことから、車椅子に自分が乗る経験を持つことになった。〔この会社のホームページを開くと、最初に「あたりまえを大切に」という文句が出てくるが、工事現場の従業員に対する安全という点では、「あたりまえを大切に」していない。〕 最初、老人ではなく、悪いのは骨折した足であって手が悪いわけではないので、自分で横の輪を動かして進めばよいだろうと考えた、かつ、病院とか薬局とかの前にあるスロープというものは、車椅子で移動できるように作られているものだと思い込んでいた。 ところが、埼玉県朝霞市の病院の道路を隔てた向かいにある薬局の入口のスロープを自分で輪をまわして登ろうとしたところ、背後にひっくり返ったのだ。 車椅子というのは、重くしてしまうと輪を回して進むのが困難になるが、軽いと平地でまっすぐ進むにはよいが、勾配があると低い側へ、特に登りの時、後ろへひっくり返ってしまうのだ。 また、骨折などした人間というのは、怪我は突然するので、それまでに車椅子を動かす練習など経験していないので、車椅子を動かす技術だってそううまくはない。 自分で車いすの輪をまわして進む場合、スロープの勾配はかなり緩めでないとひっくり返ってしまうようだ。 だから、多くの神社や寺にあるスロープというのは、誰かが後ろから押して進むのでないと役に立たないのではないかと思えるものが多いように思う。 難しいのは、だから、自分で車椅子を動かして進むことができるくらいの緩い勾配のスロープを設置しようとすると、ものすごい場所をとってしまうことになる。それなら無理だと設置をあきらめるよりは急な勾配のものでもあった方がよいのかもしれない。 松葉杖はどうかというと、松葉杖で移動する際には、あまり何階も階段で登るというのは大変だが、階段の2段や3段なら、それほど大変ではない。松葉杖で移動する場合、長い坂より3段4段くらいの階段の方があって後は平地という方がいいくらいだ。 私の経験によると。 いいかげんな会社の工事現場に勤めて骨折させられた結果として、建築屋としては得難い経験をすることになったもんだ。
    足が悪い人のためではなく高齢者のためと考えてならば、90歳を過ぎた私の母を見ていると、年寄というのは、必ずしもスロープは喜ばないようだ。 なぜなら、スロープだと階段を登るよりも長く登らないといけないので、母などはスロープと階段があると階段を選ぶことが多いように思う。 母のような高齢者にとっては、むしろ、手すりを用意してもらった方がありがたいようだ。 母は脳卒中と脳梗塞をやったことがあって、少々体がふらつくので支えがないと歩くのが不安であり、出歩く場合は、片方の手で手すりをつかむか杖をつき、もう片方の手を私が支えないと外は歩けない。脳卒中と脳梗塞をやって体がふらつくという高齢者にとってはスロープよりも手すりが欲しいようです。 「高齢者・身障者にやさしい街づくり」とよく言われるのだが、高齢者もさまざまで身障者もさまざまなので、そこがなかなか難しい。  ↑のスロープは、もしも、車椅子を自分で横の輪をまわして登ろうとすると、おそらく、背後にひっくり返ると思う。

    参拝者用駐車場、バス停から両側にお店がある通りを進み、鳥居をくぐって香取神宮の森の中の参道を歩みかけると左手に山を登る分岐の道がある。 それを登って行くと、「護国神社」「要石」「末社 押手神社」(稲荷)がある。
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↑  左が、末社押手神社で、祭神はウカノミタマノカミ。要するに、お稲荷さん。 右手に「要石(かなめいし)」という、この地域の地盤の底に大ナマズがいてそれが地面を揺らすので、そいつを押さえつけるために、香取神宮と鹿島神宮に大ナマズの頭と尾を押さえつける要石を地面に打ち込んである、というお話の石がある。 要石の方は、周囲を囲っている石の囲いがあって、その囲いの内側に硬貨が賽銭として投げ込まれているのが見えるが、↑の写真の右の方。 大きな木の手前に金属製の柱と人の腰より少し高いあたりに箱がその柱についていて鍵がかかっているのが見えると思う。「賽銭」と書いてあって、賽銭箱らしい。 こういう鍵付きの賽銭箱を用意しておかないと、そのへんにお金を置かれたのでは、忘れ物なのか賽銭のつもりなのか判断に迷うし、常に人がいる御本社と違って、山の中なので、いいかげんな置き方なら賽銭泥棒も出没する可能性があるということで、こういう「鍵付き賽銭箱ポール」が登場したのかもしれないが・・・・、どうも、「金属製 鍵付き賽銭箱ポール」はどうも風情がないような気がする。押手神社の賽銭箱なのか要石の賽銭箱なのかどちらかわからない場所にあるし。兼用というのはあまりよくないと思う。摂社・末社のどの賽銭箱に入れても最終的にはその神社の会計に納まるのでしょうけれども、そうであっても、賽銭を入れる人間の気持ちとしては、摂社・末社の賽銭箱に入れる時は、その摂社、その末社の神さまに納めるつもりで入れているのですから、2つのものが近接してあっても、中間付近に賽銭箱ポールを立てるのではなく、どちらかのすぐ前に設置した方が良いと思います。

    「奥宮(おくのみや)」へ行く道がわからず、しばらく捜したが、参拝者用駐車場から香取神宮の森に入る鳥居の手前、香取神宮の森に入るより手前で、左に登る道があり、そこを登っていくと、奥の宮 と 天心正伝(てんしんしょうでん)香取神道(しんとう)流 の始祖 飯篠(いいざさ)長威斎(ちょういさい)の墓(県指定史跡)がある。
   「奥の宮」とは、≪旧参道脇に鎮座≫し、≪御本殿に経津主大神の和御魂を御祀りするのに対し、奥宮には荒御魂を御祀りする。これは大神の大いなる御働きのひとつで「心願成就」に霊験あらたかである。≫と、奥の宮に行く道の分岐点にではなく、護国神社・要石・末社押手神社へ行く道の分岐点に説明書きの看板が出ている。
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↑ 奥宮(おくのみや)。 ≪現在の社殿は、昭和48年(1973年)伊勢神宮御遷宮の折の古材に依るもの。≫(『香取神宮案内記』)
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↑ 奥宮(おくのみや)の屋根については、千木が地面と平行か垂直か、千木に穴が開いているかいないか、鰹木の本数は奇数か偶数か。  千木は地面と平行、穴あき、鰹木は4本と偶数でした。 千木に穴が開いているのは男の神さまということで、イワイヌシ、フツヌシノカミは男の神さまなのでそれでいいのですが、千木が地面と平行だと女の神さま、鰹木が偶数は女の神様ということなのですが、松浦昭次『宮大工と歩く千年の古寺―ここだけは見ておきたい古建築の美と技―』(2007.9.5.祥伝社 黄金文庫)に出ていたこの話は、これはあくまでもひとつのお話であって、絶対ということでもないということなのでしょう。

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↑ 「旧 参道」と アジサイ。
   (2016.7.5.)

   次回 、香取神宮 参拝【5/5】 http://shinkahousinght.at.webry.info/201607/article_5.html では、佐原駅、香取駅、道の駅 水のさとさわら、”身代わり新次郎”の像 などについて述べます。

☆  香取神宮 参拝 5部作
1.駐車場から両側に灯篭が並ぶ香取神宮の森の道 http://shinkahousinght.at.webry.info/201607/article_1.html
2.総門・楼門から社殿と祈祷殿 http://shinkahousinght.at.webry.info/201607/article_2.html
3.摂社鹿島新宮・末社諏訪神社。「イワイヌシ」「フツヌシ」とは http://shinkahousinght.at.webry.info/201607/article_3.html
4.御神木の杉。造林木の利用と天然木の保護は事情が違う。奥宮 〔今回〕
5.佐原駅、香取駅。権威主義的「設計士(さま)」http://shinkahousinght.at.webry.info/201607/article_5.html


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